潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜(最も内側の層)に炎症が起こり、びらん(粘膜がただれている状態)や潰瘍(粘膜がえぐられている状態)ができる炎症性腸疾患です。主な症状には、血便を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛があります。この病気は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がることがあります 。
潰瘍性大腸炎の特徴:
- 免疫の異常: 潰瘍性大腸炎は免疫の異常によって大腸の粘膜に炎症が起こります。20代前後の若い人に多く見られ、大腸がんを伴うこともあります。
- 主な症状: 腹痛、下痢、血便、関節痛、皮膚の変化などが潰瘍性大腸炎の主な症状です。
- 適切な治療: 厚生労働省から難病に指定されていますが、適切な治療をして症状を抑えることで、健康な人とほとんど変わらない日常生活を続けることが可能です。
潰瘍性大腸炎は、日々の悩みや人生の目標にあわせてどう疾患と向き合うかが大切です。
潰瘍性大腸炎のお灸について海外の話を一部翻訳しました。
潰瘍性大腸炎:中国のお灸の話(1)の続き
基本のツボ(前回(1)にて)
天枢、足三里 調理胃肠気機、健脾化湿导滞
気海、関元 益気補虚
上巨虚 行气通肠,清胃肠湿热
【配穴】次の症状があれば基本のツボに追加
脾腎陽虚
脾と腎の陽気が虚弱し、温める、消化する、固定する機能が低下しています。これにより、大腸の機能障害が引き起こされ、腹痛、下痢、便秘などが現れます。また、腎の機能も低下し、腰膝の痛みや尿の問題が生じます。
配 腎兪、命門
脾虚气陷
「脾虚气陷証」は、中医学において用いられる概念で、身体のバランスを調整するための重要な要素です。以下に詳しく説明します。
脾虚(ひきょ):
- 「脾虚」とは、消化器系の調子が悪く、食物をエネルギーにうまく変換できない状態を指します。脾は胃や腸を含む消化器系を指し、西洋医学の「脾臓」とは異なります。脾虚は食欲不振や下痢などの不調の原因となります 。
- 脾虚の症状には、食欲不振、おなかの張り、下痢、むくみ、体の冷え、ニキビやあざの発生、全身のだるさや倦怠感、気圧変化による頭痛などがあります。
- 气陷(きけん):
- 「气陷」とは、気の流れが下に沈んでしまう状態を指します。気は人間の生命活動の根源であり、体内のエネルギーの流れを司っています。气陷は、気の循環が滞り、体調不良を引き起こすことがあります。
- 脾虚气陷証:
- 脾虚と气陷が同時に現れる状態を「脾虚气陷証」と呼びます。この証は、胃腸の機能が低下しているために気の流れが下に沈んでしまい、体調不良が生じることを示します。
配 百会、長強;
湿熱郁結
「湿熱郁結」は、中医学において用いられる概念で、脾胃に湿熱が蓄積している状態を指します。以下に詳しく説明します。
- 病因と病機:
- 湿熱郁結多由感湿邪、飲食不節、過食肥甘などにより湿熱が脾胃に蓄積されることに起因します。
- 脾胃は消化・吸収・排泄の重要な臓器であり、湿熱が蓄積すると脾胃の機能が低下し、体内に症状が現れます。
- 主な症状:
- 脘腹が痞满感じられ、体が倦怠し、身体が重く感じます。
- 大便が溏泄または粘滞し、口が苦く、渇きがあり、尿が少なくて黄色いことがあります。
- さらに、皮膚が黄色くなり、舌苔が黄腻で、脈が濡れて数が速いことがあります。
湿熱郁結の治療は、清熱利湿が主要なアプローチです。
湿熱郁結は、消化系や泌尿系などの多くの疾患に関連しており、特に消化系の疾患でよく見られます。
配 曲池、合谷;
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