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ナイアシン療法(オーソモレキュラー療法)

  • yamanehari770
  • 7月15日
  • 読了時間: 8分

更新日:7月17日

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統合失調症に対するナイアシン療法は、オーソモレキュラー医学(分子整合栄養医学)の分野で提唱されている治療法の一つです。これは、ビタミンB3の一種であるナイアシンを大量に摂取することで、統合失調症の症状改善を目指すという考え方です。


オーソモレキュラー療法は、「適切な分子(オーソモレキュラー)を適切な量で摂取することにより、病気の予防や治療を行う」という考え方に基づいた治療法で、ライナス・ポーリング博士によって提唱されました。特に統合失調症においては、カナダの精神科医であるエブラム・ホッファー博士がナイアシンを用いた治療研究を進め、その有効性を報告しています。

ナイアシンはビタミンB群の一種であり、統合失調症の患者さんにおいて、脳機能のトラブルや特定の生化学的異常がナイアシン不足と関連しているという考え方に基づいています。


ナイアシン療法の考え方


ナイアシン療法が統合失調症に有効であるとされる背景には、以下のようなメカニズムが提唱されています。

  • アドレノクロム仮説: 統合失調症の患者さんの一部では、体内でアドレナリンが酸化して「アドレノクロム」という物質が生成され、これが幻覚や幻聴などの精神症状を引き起こすと考えられています。ナイアシンは、このアドレノクロムの生成を抑制する作用があるとされています。

  • セロトニン合成への関与: ナイアシンは、神経伝達物質であるセロトニンの合成に必要な栄養素です。セロトニンは精神の安定に関与しており、ナイアシンがその調整に役立つ可能性があります。

  • 炎症と酸化ストレスの抑制: 統合失調症の病態には、炎症や酸化ストレスが関与しているという説があります。ナイアシンは抗酸化作用や抗炎症作用を持つとされており、これらのバランスを整えることで症状の改善に繋がる可能性が示唆されています。

  • NADの生成促進: ナイアシンは体内でNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という重要な補酵素に変換されます。NADは細胞のエネルギー代謝やDNA修復など、様々な生体機能に不可欠であり、NADの不足が統合失調症の発症や症状に影響を与える可能性が指摘されています。

  • 血管拡張作用: ナイアシンには血管を拡張させる作用があり、これにより脳の血流改善に寄与する可能性も考えられています。


研究と臨床例


ナイアシンを用いた統合失調症の治療は、アブラム・ホッファー博士らの研究によって提唱されました。初期の研究では、ナイアシン摂取群でプラセボ群よりも有意な改善が見られたという報告もあります。特に急性期の統合失調症において効果が期待されるとされています。

また、統合失調症患者の多くで、ナイアシン摂取時に起こる皮膚の紅潮(ナイアシンフラッシュ)反応が健常者よりも鈍いことが指摘されており、これを統合失調症の診断や病態解明に役立つ「ナイアシンフラッシュ異常」として研究が進められています。


副作用と注意点


ナイアシン療法では、高用量のナイアシンを摂取することが多いため、いくつかの副作用に注意が必要です。

  • ナイアシンフラッシュ: 最も一般的な副作用で、ナイアシン摂取後、顔や上半身のほてり、かゆみ、発赤などが起こります。これはナイアシンの血管拡張作用によるもので、通常は一時的で、継続して摂取すると慣れて軽減されることが多いです。しかし、不快に感じる人もいます。

  • 吐き気、嘔吐、下痢、便秘: 消化器系の症状が出ることがあります。

  • 肝機能障害: 高用量のナイアシン、特に「ノーフラッシュ」タイプのナイアシン(イノシトールヘキサニコチネートなど)や徐放性製剤では、肝機能の数値(AST, ALT)が上昇するリスクが報告されています。そのため、定期的な肝機能検査が必要です。

  • 血糖値の上昇: まれに血糖値が高くなることがあります。

  • その他: 他の薬剤との相互作用がある可能性も指摘されています。


専門家の見解と現状


統合失調症に対するナイアシン療法は、一部の医療機関や代替医療の分野で実践されていますが、標準的な精神科治療として確立されているわけではありません。大規模で質の高い臨床試験が不足していることや、効果にばらつきがあること、副作用のリスクがあることなどから、その有効性についてはまだ議論の余地があります。

多くの精神科医は、抗精神病薬を中心とした薬物療法と精神療法、リハビリテーションなどを組み合わせた治療を推奨しています。ナイアシン療法を検討する場合は、必ず専門の医師や分子整合栄養医学の知識を持つ医療従事者と相談し、慎重に進めることが重要です。自己判断での高用量摂取は避けるべきです。

まとめると、統合失調症のナイアシン療法は、特定の理論に基づいた代替医療であり、一定の臨床例で効果が報告されているものの、科学的根拠はまだ十分とは言えず、副作用のリスクもあるため、専門家の指導のもとで慎重に検討されるべき治療法です。


私はナイアシン療法を全面的に否定も肯定もしていませんが

専門医の指導無しで高用量のナイアシンを摂取するのはかなり危険な場合があると思います。


ナイアシン療法のまとめ


ナイアシン(ビタミンB3)は、体内で様々な重要な働きをするビタミンで、精神の安定、エネルギー代謝、皮膚や粘膜の健康維持などに関わっています。

「ナイアシン療法」は、このナイアシンを高用量で摂取することで、特定の疾患の改善を目指す治療法を指すことが多いです。特に、精神疾患(統合失調症やうつ病など)や、コレステロールの改善、メニエール症候群、片頭痛などの分野で研究や実践がされています。

ナイアシン療法の主な特徴やポイント:

  • 精神疾患への応用: 統合失調症やうつ病などの精神疾患において、ナイアシンが神経伝達物質の調整に関与し、症状の改善に寄与する可能性が指摘されています。特に、オーソモレキュラー医学(分子整合栄養医学)の分野で注目されています。

  • コレステロール改善: 高コレステロール血症の治療にナイアシンが用いられることがあります。血管拡張作用や血行促進作用も持っています。

  • 副作用: ナイアシンを高用量で摂取すると、一時的な「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれる顔の紅潮、かゆみ、ピリピリ感が生じることがあります。また、吐き気、頭痛、血糖値の上昇、稀に肝機能の異常などが起こる可能性も指摘されています。

  • 注意点: ナイアシン療法は、自己判断で行うべきではなく、医師や専門家の指導のもとで行うことが重要です。特に、高用量での摂取は副作用のリスクがあるため、適切な量や形態(ナイアシンとナイアシンアミドがある)の選択が不可欠です。

近年では、がん治療におけるナイアシンの役割や、緑内障への効果についても研究が進められています。

このように、ナイアシン療法は様々な分野でその効果が期待されていますが、その有効性や安全性についてはさらなる研究が必要です。


ナイアシンが含まれる食材について


様々な食品に含まれています。

ナイアシンが多く含まれる食品として、具体的にどのようなものがあるか、またその特徴について調べてみましょう。 ナイアシンは、私たちの健康に欠かせないビタミンB群の一種で、様々な食材に含まれています。特に以下の食品に豊富です。

1. 魚介類 魚介類はナイアシンの優れた供給源です。

  • カツオ、マグロ、たらこ:これらは特にナイシン含有量が多いことで知られています。カツオの刺身やたたき、マグロの赤身、焼いたたらこなどは積極的に摂りたい食品です。

  • サバ、イワシ、サンマなどの青魚:これらもナイアシンを含んでおり、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸も同時に摂取できます。

  • かつお節、削り節、なまり節:加工品ですが、非常に高濃度にナイアシンを含んでいます。

2. 肉類 肉類も良質なナイアシン源です。

  • 鶏肉(胸肉、ささみ):脂肪が少なく、日常的に摂りやすい肉類です。

  • 豚肉(レバー、ヒレ肉、もも肉):豚レバーは特にナイアシンが豊富です。豚肉全体も、ビタミンB群をバランスよく含んでいます。

  • 牛肉(レバー):牛レバーもナイアシンを多く含みます。

3. きのこ類 きのこ類はヘルシーで様々な料理に活用できるナイアシン源です。

  • まいたけ(特に乾物):きのこの中でも特にナイアシンが多く含まれています。

  • しいたけ(乾物)、エリンギ、ぶなしめじ、ひらたけ:これらも比較的多くのナイアシンを含んでいます。

4. 種実類・豆類

  • 落花生(ピーナッツ):手軽に食べられるナイアシン源です。

  • 豆腐、納豆などの大豆製品:ナイアシンの前駆体であるトリプトファンも豊富に含まれています。

5. その他

  • インスタントコーヒー:意外かもしれませんが、ナイアシンを比較的多く含んでいます。

  • 玄米、ライ麦パンなどの未精製穀物:精製された白米や白いパンよりもナイアシンが多く含まれます。

ポイント:

  • 水溶性ビタミン: ナイアシンは水溶性ビタミンなので、水に溶けやすい性質があります。ただし、熱や光には比較的強く、調理による損失は少ないとされています。

  • トリプトファンからの合成: ナイアシンは、必須アミノ酸であるトリプトファンからも体内で合成されます。そのため、トリプトファンを多く含むタンパク質源(肉、魚、大豆製品など)をしっかり摂ることも、ナイアシン補給に繋がります。

これらの食材を日々の食事にバランスよく取り入れることで、必要なナイアシンを摂取することができます。





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